家なき子の適用要件の厳格化
平成30年4月1日から「家なき子特例」が改正されて要件が厳しくなりました。
家なき子の特例
「家なき子の特例」とは小規模宅地等の特例の下記の要件です。
被相続人に配偶者、同居親族がいない場合、日本に住所または国籍がある別居親族(相続開始前3年以内に自己または配偶者が所有する家屋に居住していないこと)が相続し、申告期限まで所有している。
※従前の要件
この要件を満たせば小規模宅地等の特例(宅地の330㎡まで80%減額できる)を受けることができました。
改正点
今回の改正により下記の2点が追加されました。
①相続開始前3年以内に取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋に居住したことがないこと
②相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
これにより、節税を目的としてすでに所有している持ち家を他者に名義変更したり、孫に遺贈するなどの方法で「相続開始前3年以内に自己または配偶者が所有する家屋に居住していないこと」の要件を満たしたとしても小規模宅地の特例を受けることができなくなりました。
経過措置
今回の改正には次の経過措置が設けられています。
平成30年3月31日までに改正前の「家なき子の特例」の要件を満たしている人の場合には、平成32年3月31日までに発生した相続に限り、改正前の要件のまま「家なき子の特例」が適用されます。